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A-3 今倉定男氏

  • 執筆者の写真: エルトラック
    エルトラック
  • 2018年5月1日
  • 読了時間: 6分

更新日:2018年5月16日

文=内藤慈(ERUTLUC指導員)


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はじめに

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 今倉定男先生は、高知県にて高等学校の教諭でありながら、バスケットボール指導における深い知識や考察力を活かし、日本全国で指導されています。先生は、バスケットボールの本場アメリカへ数多く足を運び、常に学びを絶やしません。その知識や考察力は、まさに先生の情熱と勤勉さによるものだと感じます。

 昨年のジュニアバスケットボールサミットで行われた「ナチュラルパーフェクトシュート」クリニックでは、先生の繰り広げる熱い指導と、練習後の成果に多くの人気を集めました。そして今年のサミットでも、パワーアップしたナチュラルパーフェクトシュートシステムに多くの子ども達が魅了される事となりました。本レポートを通じて、クリニックの様子を先生へのインタビューを交えてお伝えします。



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MENU

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1.指先のシュートタッチ確認

 シュートスタンスの構えから、リフトアップ動作、フォロースルーまでをジャンプなしで確認。

 この時、ボールはスナップした手よりも前に行かないよう調整する。

 手は普段シュートを打つのと同じスピードで、しかしボールには距離を与えない。

 大きな動作は変えず、指先のボールの転がし方でボールの飛距離を調整する。


2.飛距離を伸ばすための身体の使いかた

 分解練習


3.身体の使いかた実践

 コートラインを基準に、二人組でシュートモーションの練習。

 この時、2で行った身体の使いかたを意識する。

 この方式でシュートを打つと、自然とアーチがかかりボールに高さが生まれる。

 そのため、ここではまっすぐ強いパスを意識させて正確さを求めながら飛距離を伸ばす練習をしていく。


4.3Pラインからボードにボールを当てる

 実際に高さを加えながら、正確性と高さを追求する。

 ボールがボードに強く当たるようになったら、1で行ったタッチを使って距離感を調整していく。


5.連続ジャンプシューティング

 3Pラインからボールを頭の後ろで構えた姿勢で連続ジャンプ、数回ジャンプした後練習した身体の動かし方を使ってシュートにつなげる。

 ドリブルからショット


1~5を応用し、シュートの打ち込み。



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クリニックの様子

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 まず初めにクリニックの開始前から子ども達と指導者の方々でびっしりでした。

 「君たちのシュートはびっくりするほど飛ぶようになるから。飛びすぎて困るくらいに。」という先生の言葉で始まったクリニックに、会場にいた皆が引き込まれました。


 クリニックでは、これまでのシュート理論における「常識のウソ」に対し、子どもたちがフォームを崩さず、正しい身体の使い方をすることでシュートの飛距離を伸ばしていきます。

「シュートフォームはまっすぐに伸ばさない」

「ジャンプはその場に降りない」

「コックも2Lも必要ない」


 その代わり、「踵ドンと肘ロック、サムダウンはしっかりと」驚いたことに、練習の終わりには参加していた子ども達が皆ナチュラルなフォームでロングシュートを成功させていました。

 それまでツーハンドが定着していた中学女子もが、一時間半で3ポイントより外からワンハンドシュートを成功させていました。

 どんなアクションにしても、子どもたちに「なぜ」これが必要で、「どのように」実行するのかを明確にしていくことが必要になります。今倉先生はこの二点がとてもお上手でした。


 子どもたちにナチュラルパーフェクトシューティングシステムを身に付けたいと思わせる力、そして身体の使い方を子どもたちがイメージしやすいように落とし込む手法など、クリニックの至る所に工夫が為されていました。



--------------------------------- 今回のサミットの感想をお聞かせください ---------------------------------

 一時間半のクリニックは厳しい。僕としては構わないけど、せっかく子ども達が来てくれているのに、一時間半では満足度はどうかなあ、と。彼らを満足させるためにベストを尽くしたし、満足させられた自信もあるが・・。

 前回のクリニックは二時間あったので、もう少し打ち込みの練習時間を与えられたかなと思う。特に僕のクリニックでは、シュートをテーマに取り扱うから、リングの数や人数を考慮すると短かったように感じた。けれど、子ども達のシュートの飛距離を伸ばすという成果を達成できたので、嬉しく思う。



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先生のシュート指導における考え方を教えてください。 ----------------------------------

 子どもの個人差を見極める事、これがすごく大事。

 どのスキル一つを取っても、できるスキル、できないスキル、フォームの違いなど練習量の差だけじゃなくて、背景にはその子の身体の構造とか、ボディバランスの違いとか、様々な因子がある。それを見極める力が指導者には求められる。


 アメリカと日本の文化的側面を考えてみるとわかることがある。アメリカは個人主義の国であるから、一人一人の考え方や感じたものをリスペクトする考えが根底にある。だから、シュートにおいても指導されたフォームをそれぞれが自身の感覚に落とし込んで応用している。


 けれど、日本は集団主義の国。周りとの和や協調性を慮る傾向が強い。そのため、指導されたフォームが絶対だと感じて、彼らにとって窮屈で正確性に欠けるものであっても頑なに守ろうとしてしまう傾向がある。

 先ほども言ったけど、現れる動作には個人差がある。だから、僕は日本の子ども達に、彼ら自身が自然に気持ち良く楽に距離が出るフォームを身につけたい、つまり、個人個人の気持ちの良い体の使い方を見極めてイメージをつけてもらいたいと思っている。


 これはシュート指導に限らずだが。見極める力にはセンスの問題もあるかもしれない。けれど、学んでいく中で必ず見えるものがあるから、学び続けなくてはいけない。一見バスケットに関係ないものが、非常に密接に関係していたりするから。



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先生の指導理念を教えてください。 ---------------------------------

 前提として、笑顔のない練習はダメ!


 バスケットは楽しいものだから。子どもたちを上手くするために、沢山の方法があるし沢山の工夫が必要。

 でも、子どもたちの資質以上のことを無理強いしすぎたらいけないと思っている。


 逆に、その資質を信頼せずに99パーセントのものだけを与えても成長が制限されてしまう。常に101パーセントのものを提供して、1パーセント超える努力を自主的に子どもたちにさせるようにしている。

 101パーセントを掛け算して積み上げていったら、大きなものが生まれるでしょ。


--------------------------------- 先生のこれからのビジョンを教えてください。 ---------------------------------

 ナチュラルパーフェクトシューティングシステムを、日本の子ども達に広めていきたい。長い距離を楽に飛ばせるワンハンドシュートをベースにしていくことで、日本のバスケットボールは変わっていくと思っている。


 特に、現在は日本の育成年代の女子はツーハンドの子がまだまだ沢山いる。 世界中の日本以外の『全部が』ワンハンドを使っているし、スキル的にもワンハンドだと出来る事も増えるからね。



--------------------------------- 最後に、指導者の方にメッセージをお願いします。 ---------------------------------

 今の若い人は何でもできる!

 技術が発展して、世界中がネットでつながる世の中だからね。工夫次第で沢山の情報を得ることができる。

 それに、交通機関も充実して気軽に海外に行けるしね。誰でもブラッド・スティーブンスみたいになるチャンスはある(笑)


 やりたいことをやれる。制約なんてない。経済的なボトルネックがあっても、色々な方法でサポートしてくれる機関もある。夢を叶える方法は山ほどあるんだから、情報集めと最大限の努力を!



--------------------------------- おわりに ---------------------------------

 先生のクリニックの面白み、凄さはレポートには書ききれないほどです。

 是非、一度先生のクリニックに足を運んでいただいて、実感していただけたらと思いました。


 加えて、私自身も先生から多くのエネルギーと刺激をいただきました。今後も学びを絶やさずに選手のみなさんに貢献していきたいと思います。

 最後になりますが、今倉先生、今年も素敵なクリニックを提供してくださりどうもありがとうございました!

 
 
 

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