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D-4 鈴木良和/ID事業部

文=佐藤慶多(ERUTLUC指導員)

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はじめに

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 今回のクリニックはエルトラックの試合分析の事業と、エルトラック代表鈴木のコラボクリニックでした。



今回クリニックを受ける、東京成徳大学高校の試合を事前に分析し、そこからわかった課題の練習を行いました。



--------------------------------- 試合から課題を落とし込むポイントはなんですか? ---------------------------------

 まずは、きちんと映像で分析をすることです。

 単に、シュートの確率が悪かったから、シューティングをしようというような曖昧な課題設定ではなく、どのような場面でのシュートが外れたのか、どのようなディフェンスに対してターンオーバーが起こったのか、具体的なシチュエーションを明確にすることで、成果につながるような課題設定が可能になります。



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課題から実際の練習のドリルを考案するポイントはなんですか? ----------------------------------

 できる限り、試合の中の状況をそのまま切り取ったドリルを行うことです。


 例えば、試合中のポストへのパスフィードでターンオーバーが多かったとします。

 その課題を解決するために、ディフェンスをつけない対面のバウンヅパス練習を時間をかけて行ったとしても、あまり解決にはならないでしょう。


 パッサーにもレシーバーにもディフェンスがいる状態で、ディフェンスに対して効果的なポジショニングやフェイクを学びながらドリルを行なっていくことが必要です。



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選手達に課題の映像を見せる、伝える工夫はなんですか? ---------------------------------

 情報を増やしすぎないことです。

 選手が処理しきれないほどの課題を与えても、消化不良になるだけで成果にはなかなかつながりません。


 数ある課題の中でも最も重要なものにフォーカスして、同じ相手に同じ失敗を繰り返さないように、成果が出るまで徹底することが重要です。


--------------------------------- 試合映像を使っての分析がジュニアの現場でどうのような可能性があると思いますか? ---------------------------------

 部活動などの状況をみていると、指導者の方々が忙しく、選手だけで練習しているようなチームも多いようです。

 指導者の方々に話を聞いてみると、その時には単に練習メニューを選手に与えて、選手はそのメニューをただこなすだけになっているケースが多いというのが現状のようです。


 映像分析が一般的に普及して、課題に対する解決練習のプログラムが普及していけば、指導者の方々は選手たちにメニューを与えるのではなく、課題を映像で与えることができるようになります。


 そうすることで、選手たちはただ単に与えられた練習をこなす受動的なスポーツ参加ではなく、自ら課題に対してどのように解決するのか、考え、工夫する機会を手にすることができると思います。


 それは、スポーツを通じた教育の機会として、これからの未来にとても意味あることだと僕が考えています。



--------------------------------- おわりに ---------------------------------

 映像を使った分析というと、ハイレベルのプロでしか行われていないように思われますが、実際にはどんなカテゴリーでも有用に使えるものです。

 また鈴木代表のコメントにもあった通り、バスケットを通じた教育として、選手の主体性を伸ばす事や、準備の大切さを教えることもできると思います。

 映像分析という指導法が広く一般に普及するように色々な工夫を凝らし、新しい環境づくりに努力していきたいと思います。

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