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平岩時雄氏による「動き出しの0.1〜0.2秒を上げる!パワーポジションからのスタート」、「コートを最速で駆け抜ける!加速スピードをあげる」


前回、今回を通じバスケットボール競技以外で初のコーチである平岩時雄氏に

「動き出しの0.1〜0.2秒を上げる! 〜パワーポジションからのスタート〜」

「コートを最速で駆け抜ける! 〜加速スポードをあげる〜」

の2つのクリニックを担当していただきました。平岩氏は110mH手動計時日本最高記録をもち、110mHの第一人者として日本陸上界を牽引されました。その後、渡米し、テニスの錦織選手のトレーニングコーチ、ケンマツダの教えを受け、トレーニングコーチとしての道を歩まれ、現在はプロ野球選手のパーソナルトレーニングコーチとして活躍されています。その平岩氏が今回のクリニックで披露されたバスケットにも重要な「動き出し・加速」指導のポイントを皆さんにもご紹介します。

-平岩氏の指導理念-

当たり前のことかもしれませんが、「人はみんな違う」、それゆえにどんなトレーニングがその人に合っているのか?、「その人の能力を引き出すためには何でもする」、それこそが平岩氏の指導理念です。また、マーカーコーンがなければ空缶、道具がなければそれなりに工夫してドリルを組み立てることも平岩氏の大切にされていることです。

-本クリニックの狙いと目的-

Speedを出すというスキル、それに必要な正しい姿勢や身体の動かし方についてヒントとなるような考え方、技術を伝えること

−ジュニア期の選手に対して普段から意識していること−

子供は体格が変わっていくので、その時期に必要な考え方、頭の中身に刺激を与えること、また、これから覚えていきそうなことは教えないようにする。逆に高校生後半以降の選手に対しては、身体のくせなどを見つけ是正できるものはアドバイスを行う。どちらの選手もあるべき姿は毎日違うのでよく観察し、メニューを修正しつつアドバイスを行う。

−練習内容(一部抜粋)−

■臀部回りの柔軟性のcheck 片足立ちの状態で、一方の足の踵を膝につけて足を組む。その状態のまま床にタッチを行い、手が床につくかをcheckした。その他、開脚左右、前後で足がどの程度開くかcheckし合わせて動的なストレッチを行った → 臀部回りはパワーを生み出す身体パーツである。特に、この部分の柔軟性がパフォーマンス   を発揮する上で重要であると考えられる。 ■Power ポジションの確認 スポーツの現場において適切な準備姿勢、すなわち素早い動作を行うための動きやすい構えの姿勢を一般的に「パワーポジション」と呼んでいます。足を肩幅より開き、頚部・体幹を前傾させて、股関節・膝関節・足関節を軽度屈曲した姿勢、この姿勢はどの方向にも力強く運動することができるとされています。しかし、パワーポジションをとった際、主にどこに意識を置くかということはあまり強調されておらず、人によってその意識の置き方は様々です。 → パワーポジションのPoint  ① 肩幅程度に足を広げ、膝を曲げるのではなく股関節をおるイメージで腰を落とす。  ② 膝は自分の足の親指よりちょっと内側に置く。  ③ 周りの状況を常に把握できるよう体を起こした状態を保つ。

■2人1組でパワーポジションの確認 パワーポジションの姿勢をとり、パートナーに腰を横から押してもらう。その際、横に動か ないよう姿勢を大腿部の内側に力をためて姿勢を保持することを心がける。 外側や背部に力を入れると動き出しが遅れたり、パワーが伝わりづらくなる。 ■Start ダッシュのヒント -正面向き- ① 足を前後に開き、立位のスタート姿勢をとる。 ② 前足に完全に体重をのせる(自然と踵は浮く)。  → 前足に体重をのせることで前足を動かす癖をなくす  → 背面の場合の工夫としてはその場で回るのではなく、足を後ろに引いて勝手に体が回る   ような工夫をする。   (横向きの姿勢からスタートする場合もその場で回る動作はスタートの遅れを招く) ■加速=スピードをあげる能力 一般的にスピードをあげるトレーニングをすると、走り出してから40m地点のスピードが最も上がると言われている。一方でバスケットボールコートは28mなので、スピードトレーニングをしても、パフォーマンスを高められるのかといった疑問が挙げられる。しかし、100%のスピードが高い人ほど、加速力が高いことが知られているため、加速力をあげることは重要である。 また、加速力が高い人はスピードを緩めてもすぐにスピードが落ちないため、消費するエネルギーを減らし、ダッシュを繰り返すことができる。 - 姿勢を維持する- ① 足を前後に開き、立位のスタート姿勢をとる。 → この時、後ろの踵から、膝、お尻、頭の後ろが一直線になるような姿勢を作る。 ② 2人1組でパートナーに両肩を前から抑えてもらい、①の姿勢を維持したまま、サイドラインからサイドラインまでウォーキングを行う。 - マーク走-  マーカーコーンをコートにおき、3歩、5歩、7歩ダッシュをそれぞれ行う。  走るときに一つ前のマーカーコーンに目をおき、すぐに姿勢が立たないように行う。 ■バスケットボールの競技特性との関わりについて 今回のクリニックでは加速時やそのスピードを上げるコツについて紹介しました。ところで、バスケットボールの競技中にストップやダッシュの動作はどれくらいあるでしょうか。

少なくとも○00回以上そのような動作は起こっていると考えられます。今回、紹介したコツを得ることで、相手と0.1秒でも差を作ることができれば、それはバスケットボールにおけるパフォーマンス発揮に大きく影響することでしょう。 平岩スポーツコンサルタントHPはこちら

-クリニックを行なった感想について-

バスケットボールの中に一人のトレーニングコーチとして参加できて楽しかった。こういった感じのクリニックはたくさんあるが、多くは学校などが中心である。それゆえなかなか選手個人中心になりにくい、その点、選手達が主役となっているイベントで大変共感を得た。今回、 スタートや加速をあげるヒントを紹介したが、大切なのはそんな中で「自分なりというものを見つけることができるか」ということだと感じますので、ぜひ自分なりを掴んでください。


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