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ルンゲ春香氏による「小さくても抜ける!1on1の間合いとしかけ方&シュートフィニッシュ」


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Q.クリニック・サミットの感想をお聞かせください。

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自分自身もバスケットボールアカデミーを運営している立場として、サミットのシステムやサインラリーなど選手達を惹きつける仕掛けがとても参考になりました。 また、選手達がそれぞれ目的を持ってきていて、自分も無駄な時間が一切ありませんでした。はじめはシャイな選手達が慣れてくると笑顔になったり、目が合ったりして話を聞く姿勢がでてきました。そういった変化を見ることができて大変満足しています。

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クリニックの中で選手達の変化していく姿は私も感じました。集中してお手本を見て、少しでも近づこうとしている姿勢、やり遂げた後の笑顔、見ていてとても気持ち良かったです。

-------------------- Q. 指導のねらいと目的について --------------------

アカデミーのU-12、15でも行っている身に付けていた方が良いスキルを取り上げました。 今回取り上げたスキルに限らず、理解しながら練習をしてもらいたい、理解してやることが大事ということを伝えたかったです。できないことが普通であり、まずは挑戦しようとする。挑戦しようとすると飽きないで取り組めます。そんな中から質問が出てくるとよいと思います。教わってばかりいると覚えるだけになってしまう。人はアウトプットすることで学べる、それゆえ、自分で考えて発した時に自分のものになると考えています。

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足を置く場所、身体の使い方、ドリブルのつき方、目線等細かくポイントを説明しておられたのが印象的です。なぜ取り上げたスキルを使う必要があるのか、とても明確でわかりやすく勉強になりました。目的が明確になることで、選手達もより集中して考えながら取り組めたのではないかと思います。

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ソシオ成岩スポーツクラブのバスケットボールアカデミーについて --------------------

初心者クラスやU-6のクラスがあり、練習時間45分を月2回で行います。基本的なボールの持ち方、飛ばし方などを練習しますが、ヨーロッパサッカーをヒントに、90%が遊び+トレーニング、10%がバスケという割合で取り組んでいます。ディズニーランドみたいな工夫した練習を行い、練習後も子供達が自主的に練習するようになることを最大の目的としています。

また、施設が中学校と共同利用しているので、地域の人、高齢者の方など幅広い年齢の方との交流やバスケ以外のスポーツ事業との交流ができる環境になっています。 練習に来た子供達がバスケットボール選手になるかどうかは気にしません。 例えば、ピアニストになりたいからピアノを習っている、水泳選手になりたいから水泳を習っているという子が全てではありません。何か身につけたいことがあるから通っています。そういう場があってもいいなと思います。目標があれば、計画が立てやすかったり選びやすかったり、やり抜く力を強くできる訓練になります。それを自分が選んだ好きなバスケットボールを通して、今の日常を自分で良い習慣に変えていくという環境づくりをしています。

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子供達が豊かに成長していくのに欠かせない要素がこの施設にはたくさん詰まっていますね。ルンゲさんの子供達を育成していこうという熱意がとても伝わってきました。子供達だけでなく、様々なニーズの方にとってこのような環境があることはすごく有難いことだと思います。

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ジュニア期の選手に対して普段から意識していることを教えてください。

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取り組み方を伝えたいと思っています。大人でも子どもでも、強いチームでも取り組み方がわからない選手が多いと思います。「この練習をしたから上手くなる」そんな魔法はなく、やり抜く力が一番選手を成長させるもので、上達する魔法です。

やり抜く力はだれもが持っていて、やり抜くかやめてしまうかは選ぶことが出来ます。背が小さい大きい、足が速い遅いといった能力は選べません。やり抜く力はメンタルであって、やるやらない、続ける続けないの選択で「やる」「続ける」方を選んでもらえるような工夫をしたいと考えています。

練習が飽きる原因は、一つは工夫が足りないということを考えます。U-6の子供達は難しいが、U-8の子供達は理解できるので変な癖がつかないように指導します。「へたくその癖がつくよ!」といった言葉かけをします。言葉かけに対し子供達は「へたくそは嫌だ!」と反応します。例えば、レイアップ10種類を10本決める練習で、もらい方やドリブルのつき出しを雑にやってレイアップだけ決めればよいのか、レイアップへ行く前の動きもきちんとやることでレイアップの質が変わってきます。

それをおろそかにすると「へたくその癖」がついてしまう。一回一回意識してやることで、無意識にできるようになり次の段階へ行ける。特に敏感な小さい年代から意識して最初から身体に沁み込ませておくと、「良い癖」が身についていく。小さい年代ほど癖になりやすく、年代が上がっていくと直すのに時間がかかって何度も言わないといけなくなります。

無意識で出来るようになるにはとても時間がかかります。しかし無意識にできる時に正しいことを教えてあげたいと思います。

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やり抜く力は上達する魔法。名言ですね。なぜその練習をしているのかなど目的を理解しないで練習をするほど退屈なものはありません。取り組み方を知ることで着実に上達し、バスケットがよりおもしろく感じるのではないでしょうか。クリニックの中でも取り組み方を丁寧にわかりやすく伝えているルンゲさんの姿がとても印象的でした。

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小さい選手が世界で通用するには・・・。 --------------------

高校までは県大会にも出場できていませんでした。それでも、大学は強いところに行ってバスケットをもっと学びたいと考えて進学しました。周りは強豪校出身の選手が多く、体格も私とは比べものになりませんでした。同じように一生懸命頑張っていても5対5のときはコート外で見ている立場が多く、私は、不必要なのかなと思っていました。しかし、ある先生に出会って考え方が変わりました。その先生の考え方はとても理論的で、今まで考えていたことが一本の糸で繋がった感じで解決していきました。その出会いのお陰で、小さかったら普通の人と同じことをしていてもだめだと気付き、以下のようなことを大切にしました。

・ミクロ、マクロで物事を考える

・人の2倍、3倍考える

・大きい人の考えないことを考える。 ・1,2手先ではく、3,4手先まで考える。そうするとその先も予測できる。偶発的なものではいけない。

偶発的にやると成功率が50%ですが、理論的にやると成功率が上がる。小さい選手は、9回成功しても1回のミスでベンチに下げられてしまうので、10回の成功も普通の成功じゃなくて、「おっ」と思わせる成功をする。そうすると11回目にミスをしても目的をもったものだと捉えられ、信頼を得てコートに残ることができる。そういうことをやってきたので、理論がわかればミスの原因もわかり、その対策もわかる。今までは頑張っていなかったわけではなく、今までと同じ頑張りにプラスして考え方を教えてもらいました。海外に行ったからできるようになるということではなく、どんな環境でも自分がその環境で学べないとどこへ行っても同じ。その環境でどれだけやるのか、これが重要なことだと思います。1年でこんなにも変わることができたと考えると、やっぱりやるからには目的を持ってやりたいと思い、やるべきだと思いました。

私は大学から実業団に行き、物足りなくなってアメリカ、ドイツと強豪チームを渡り優勝を経験しました。結果を残すと喜びや満足感がありますが、それは自分だけのものであり過去のものになると何か寂しさを感じました。大学で結果を残した時もドイツで結果を残した時も、喜びはありましたがもうこれ以上はないと思いました。

その後、ドイツでアシスタントとして指導に当たった時に選手が成長していくことが本当に嬉しかったんです。1人に指導すると幸せが2倍になりました。それが10倍になる事もあって、指導の分だけ幸せが増えるんだろうなって思いました。

日本に帰ったら指導できる場をつくりたいと思い、この活動をしています。教え子が幸せになると、違う幸せで湧いて楽しい、自分だけの幸せは自分の幸せでしかありませんが、人の幸せは自分と相手の幸せなので自分だけの嬉しさより倍嬉しいんです。

これまでバスケットを経験してきた中で、バスケットの理論はどこも一緒でした。リングは1つで動かない、コートの大きさも変わらない、ボールは上に投げれば下に落ちます。それに対して自分がどうするのか。バスケは物理であり、ただ国によって方法が違うだけです。

クリニックも同様で、方法が違うだけで理論は同じである所がとてもおもしろい。ブレのない理論を伝えていきたいと思います。

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ルンゲさんが世界に通用する選手というのがとても納得できました。身体の大きさは関係ないですね。3,4手先を考えるというはバスケットを理論的に理解していないとできないもので、ジュニア期の選手たちに正確な理論を伝えていく重要性がより明確になりました。また指導者の幸せについても話していただき、人と幸せを共有できる喜びがあるのが指導者であり、その立場に立てていることに幸せを感じます。

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○クリニックメニュー テーマ「小さくても抜ける!1on1の間合いとしかけ方&シュートフィニッシュ」

①2人組ツーボールコーディネーション  パワーポジションをとり、その時に ・つま先と膝を同じ向きに向ける ・お腹に力を入れる ・頭の位置を変えない ・ひじの下を動かす ・ペアの人はドリブルをついている人を励ますこと  をポイントにおいて取り組む。

○両手同時→交互→ミスリズム(笛の合図で逆手)→スイッチハンド(縦と横)→サークル片側(笛の合図で逆回り)→ジャグリング(強くつかないで持ち帰るように)

②ドリブルワーク 目的:実戦でのハンドリング、判断、対応能力を身につける。

【ギアチェンジ】 ○ドリブル2回でクロスオーバースピードチェンジ  (クロスの時にスピードのまま。外足で地面を蹴る) ○ドリブル1回でクロスオーバー  (一歩目はクロスフット) ○ドリブル2回でバックチェンジ  (足の踏み方は変わらない) ○ドリブル1回でバックチェンジ ○ドリブル2回でレッグスルー  (つま先が進むほうに向く) ○ドリブル1回でレッグスルー ○ドリブル3回クロスオーバー2回バックチェンジ1回レッグスルー

【ストップ】 ★ストップは1か2のリズム ○2ストップ→リトリートドリブル→前に進む          ・位置関係はディフェンス-身体-ボール          ・斜めに下がってインラインをつくる ○2ストップ→リトリートドリブル→ディフェンスがボールを取りくる→ロール ○2ストップ→リトリートドリブル→ディフェンスがインラインを守る→正対してワンドリブル(強くパウンド)→逆にジャブフェイク→前に進む ○2ストップ→リトリートドリブル→ディフェンスが残る→正対してドリブルチェンジ(落とすように)→ジャブフェイク(加速する)→前に進む

★2ステップはしかけるストップ

○1ストップ(ドリブルと同じ足で止まる)  ・ドリブル・足で一緒にブレーキをかける  ・しっかり止まってから加速する。しっかり止まらないと次に仕掛けられずディフェンスを抜けない ○1ストップ(両足)→バックチェンジ→加速して前に進む

【2人組】 ○ドリブルをつきながら相手を押していく。  ・肘は手首の下に位置する  ・足で押していく ○3回ドリブルからクロスオーバー(蹴り足はチェンジした方の足) ○3回ドリブルからレッグスルー(蹴り足は前に出ている足) ○3回ドリブルからバックチェンジ(シュートを打てる足をつくる) ○3回ドリブルからバックチェンジ+クロスオーバー(バックチェンジはゆっくり、クロスオーバーで加速) ○横向きになり押していく→3回ドリブルで下がる→正対→ジャブフェイク→前に進む  (ジャブフェイクで加速。行きたい方向と逆にフェイクをする)

③1on1の間合いとしかけ方 目的:1対1で攻撃しながらの判断力を身につける。

⑴ジャブ  ○スピードでディフェンスとの間合いをつめる→ヘジテーション(細かく足を踏んでスピードコントロールしながら相手を惑わす)→ジャブ   ・オフェンスの足のオンフットをディフェンスの足の前か横に踏む。   ・フェイスフェイントは人(目的)を見ること。そうすると残像が残りパスにもつなげられる。

⑵クロスジャブ  ○スピードでディフェンスとの間合いをつめる→ヘジテーション→クロスオーバー→ジャブ   ・クロスオーバーは落とすように   ・ディフェンスとの間合いがあるときにクロスオーバーをする

⑶シザース(内)  ○スピードでディフェンスとの間合いをつめる→スキップモーション→シュートはユーロステップ   ・クロスの足をディフェンスの外足の前に出してズレをつくる   ・ボールを持っている掌の向きを前に向ける(パスを出せる、ボールを押し出せる)

 ○スピードでディフェンスとの間合いをつめる→スキップの一歩目で止まる→クロスオーバー(落とす)   ・ディフェンスの足を見る   ・スキップでディフェンスを走らせてクロスの足の逆をつく

⑷シザース(外)  ○オンフットでディフェンスとの間合いをつめる→オンフットスキップ   ・仕掛ける足をディフェンスの前か外に踏む   ・ドリブル(スキップ)中はパスもあるので掌は前を向く

④1on1コンビネーションドリル 目的:1対1でしかけた後の対応能力、シュートフィニッシュまで。

⑴仕掛け方は自由→シュートはバックチェンジジャンプショット  ・バックチェンジはディフェンスの足がクロスになった瞬間にする。(走り始めたとき)

⑵バックチェンジ→リーチバック  ・バックチェンジのときに顔を上げる(フェイクになる、目的が見える)  ・ボールを持っていない手を添える

⑶ステップバック  ・ステップバックは後ろに下がってもブロックの手を交わせないので、ブロックの手の横にステップバックする

⑷ステップバック→フェイスフェイク→レイアップ  ・しっかり止まることで次のプレーにつながる

⑸バックチェンジ→クロスオーバー→フィニッシュまで

⑤1on1 目的:実戦での判断力&スキル向上


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