top of page

Dream7Japan(Tornado Academy)梅田智之氏による「世界に飛び立つアドバンス(ハンドリング、1on1)」


■はじめに

梅田智之氏はTornado Academy Kumamoto Redbearsでスクールコーチを活躍されているコーチだ。中学生の時に九州大会でベスト4、高校生の時には全国総体でベスト16に、クラブチームでも全国大会まで進出された選手としての経験の豊富なコーチである。

またアメリカのIBLというプロリーグに参加され、熊本に「世界基準の環境」を創る事が目標と されるコーチだ。

このレポートでは、そんな梅田氏がJUNIOR BASKETBALL SUMMIT 2016にで行われた練習 の全容をお伝えする。

■クリニックの狙いと目的をお聞かせ下さい

スキル指導の狙いとしては、1on1からハンドリング能力の重要性を学ぶ事です。どんな選手でも1on1が強い選手はハンドリング能力が高く、逆にハンドリング能力がないと良いプレイは出来ません。そのため、どんな指導でもまず練習の初めにハンドリングと基本的なドリブル練習を行っています。

シュート指導の狙いは、真っ直ぐシュートを打てる事を目的に行いました。アメリカと比べると日本ではリングの数が少なく、練習できる時間も多くない。そのためシュートを打てる本数が圧倒的に少なくなってしまいます。

正しいシュートフォームでシュート一本一本の質を高める必要があります。質を高めるためには、やはり正しいシュートフォームでシュートが曲がる原因を無くすことが大切です。ですので、僕は普段ツーハンドでシュートを打つ女子選手にもワンハンドでポケットの位置から真っ直ぐ打つ事を指導しています。

■クリニックを終えた感想をお聞かせ下さい

普段は、90分間の練習でメニューを組んでいて、いつもより長い2時間の練習の中で1on1とシュートのスキルを細かく分けて選手達に指導しました。 また初めて会う選手が多く、選手達それぞれの能力やバスケットIQ、集中力などを素早く察知することに心がけて、練習中ペアやグループを作る際に、なるべく実力差がないように意識しました。

子供達はどうしても他の選手と自分を比較してしまう傾向が強く、それが原因で自身喪失につながってしまうと良くありません。ですので、自分自身に目を向けさせて、過去の自分よりも成長したと実感し喜びを感じてもらえるようにしました。

またシュートクリニックでは、背の高い選手が多く、ボールを頭上で構えてしまっていました。そういった選手にはポケットから打てるように意識させました。さらにモーションが2回に分かれてしまう選手も居て、そんな選手にはワンモーションで打たせることに注意して指導しました。

■普段どのような指導理念でコーチをされていますか

僕の指導理念は「子供の自立」です。子供が自立するためには、自分自身で「選択」することがとても重要です。そのため練習中に選手達が受け身にならないような空気作りを大切にしています。例えば、練習前には必ず約束事を決めています。コーチの話をちゃんと聞く事、話に対してしっかりと返事をする事、集合の時にはダッシュで集まる事、集中して練習に取り組む事、これらの4点を約束し、自分から意識して守らせるようにしています。

そして、約束を守れているか、コーチに言われたプレイが出来ているのか、選手達が自分で気づく事がとても大切です。ですので、練習にあまり多くを言い過ぎないようにしていますし、約束を守れていない選手を責めることもしません。

また、同じようにプレイでも「選択」できるような練習を心がけ、自分でどんなプレイをする のか「選択」できるようにメニューを考えています。ただ、幼い選手や経験の浅い選手に「選択」をさせようとしても何をして良いかわからないと思うので、選択肢を選手達に与えています。初心者であれば、まずは選択肢を二つ与え、どちらかを「選択」させるようにします。出来る選手には三つ、四つと選択肢を多くして選ばせるようにしています。

その中で、仮に選手が選択肢に無いプレイを行ったとした場合、そのプレイが選手自身で考えた結果そのプレイを「選択」したのか、もしくは意味もなくそのプレイを「選択」してしまったか、がとても重要です。

しっかりと考えた結果の「選択」であれば褒めるべきですし、意味もない「選択」なのであればしっかりとした「選択」をさせてあげることが必要となります。

■最後にジュニアバスケットボールサミットの感想をお聞かせ下さい

素直に、とても素晴らしいイベントだと感じました。また様々なコーチやトレーナーが集まっていて、選手だけでは指導者のための空間でもあると思いました。今後はさらにERUTLUCと情報交換をして次のジュニアバスケットボールサミットでは更なる貢献ができれば考えています。

■練習内容 ○1日目「ハンドリングと1on1」 1.ストレッチ  ①肩甲骨   ー肩に手を置き大きく肩を回す  ②肩甲骨&スキップ   ースキップしながら肩甲骨を回す  ③股関節その1   ー歩きながら3歩目に膝を抱く  ④股関節&大腿筋その1   ー歩きながら腿の前を伸ばす  ⑤股関節&大腿筋その2   ー歩きながら3歩目に踵をへそまで上げる  ⑥ランジその1   ー腰の位置で手を合わせてランジ  ⑦ランジその2   ー前足と同じ方の手を上げて、逆手をコートにつける  ⑧ヒップローテーションその1   ー歩きながら膝を後ろから前へ大きく回す  ⑨ヒップローテーションその2   ー歩きながら膝を前から後ろへ大きく回す  ⑩股関節&スキップ   ースキップをしながら膝を前、横と順に上げる  ⑪股関節その2   ー膝を90°にして左右に開く  ⑫ヒールタッチ   ー両手をお尻の位置におき左右の踵を交互に手に着ける

2.体幹トレーニング  ①フロントブリッジ  ②サイドブリッジ  ③ヒップリフト

3.ハンドリング  ①頭→腰→足→腰   ー上記の順番に連続でボールを回す  ②レッグスルー   ー片足を上げながら足の間にボールを通す  ③8の字   ー足の間にボールを通し8の字を描くようにボールを回す  ④肩越しキャッチ   ー片手で身体の前からボールを投げ背後でキャッチ、背後からボールを投げ前でキャッチ   ー上記の事を連続で行う  ⑤足回し   ー両足を中心にボールを回し、片足を中心にボールを回す   ー上記の事を連続で行う  ⑥振り子   ー身体の前で肘を伸ばしながらボールを振り子のようにスイングさせる

4.椅子ドリブル  ①左右   ー片手で椅子を間に置いて左右にドリブル  ②前後   ー片手で椅子を間に置いて前後にドリブル  ③前後&レッグスルー&フロントチェンジ   ー椅子を間を前後にドリブル→レッグスルー→フロントチェンジ   ー上記の事を繰り返す  ④前後&バックチェンジ&フロントチェンジ   ー椅子を間に置いて前後にドリブル→バックチェンジ→フロントチェンジ   ー上記の事を繰り返す

5.ドリブル~キラークロスオーバー~ ※キラークロスオーバーとはドリブル練習で使う用具の事  ①ワンハンドフロントチェンジ  ②インサイドアウト  ③インサイドアウト&フロントチェンジ

6.テニスボールドリブルその1  ペアで向かい合いテニスボールでキャッチボールしながらドリブルを行う  テニスボールをキャッチする時は掌が下をむくように上からキャッチする  ①ドリブルしながらキャッチボール  ②フロントチェンジ   ーテニスボールを投げた選手はその瞬間にフロントチェンジ  ③レッグスルー   ーテニスボールを投げた選手はその瞬間にレッグスルー  ④バックチェンジ   ーテニスボールを投げた選手はその瞬間にバックチェンジ

7.テニスボールドリブルその2  ペアで向かい合いベースラインからハーフラインまで歩きながら、キャッチボールとドリブルを行  テニスボールをキャッチする時は掌が下をむくように上からキャッチする  ①ドリブルしながらキャッチボール  ②フロントチェンジ   ーテニスボールを投げた選手はその瞬間にフロントチェンジ  ③レッグスルー   ーテニスボールを投げた選手はその瞬間にレッグスルー  ④バックチェンジ   ーテニスボールを投げた選手はその瞬間にバックチェンジ

8.ディフェンス:ステップ  ゴムバンドで出来た輪を使い、ペアの腰にゴムバンドを巻く  オフェンスの選手がベースラインからハーフラインまでダッシュ&ストップを行い、ディフェンス の選手はなるべくゴムが伸びないようにオフェンスの選手に付いて行く

9.ドライブ&ブレーキ  レーンと同じライン上のハーフライン前(コーン①)、3Pライン上(コーン②)、エルボー前(コーン③)の3箇所にコーンを置く   ーハーフライン上からリングへトップスピードでドリブルする   ーコーン①を取る   ーコーン②にコーン①を置く   ーコーン③をタッチ   ーシュート   ※コーンを取る時はオープンスタンスでしっかりとストップする

10.1on1:ドライブ&ブレーキからワンステップレイアップ&フローター  レーンと同じライン上のハーフライン前(コーン①)、3Pライン上(コーン②)、エルボー前(コーン③)の3箇所にコーンを置く DFはOFの横から付いていく   ーハーフライン上からリングへトップスピードでドリブルする   ーコーン①を取る   ーコーン②にコーン①を置く   ーコーン③をタッチ   ーワンステップレイアップもしくはフローター   ※コーンを取る時はオープンスタンスでしっかりとストップする   ※フィニッシュ時にDFを抜いている時はワンステップレイアップ、追いつかれた場合はフローター

11.1on1:ドライブ&ブレーキからフックレイアップ&ロールジャンプ   レーンと同じライン上のハーフライン前(コーン①)、3Pライン上(コーン②)、エルボー前(コーン③)の3箇所にコーンを置く  DFはOFの横から付いていく   ーハーフライン上からリングへトップスピードでドリブルする   ーコーン①を取る   ーコーン②にコーン①を置く   ーコーン③をタッチ   ーフックレイアップもしくはロールジャンプ   ※コーンを取る時はオープンスタンスでしっかりとストップする   ※フィニッシュ時にDFがコース入っていない時はフックレイアップ、コースに入られた場合はロールジャンプ

12.1on1インサイドアウト  レーンと同じライン上のハーフライン前(コーン①)、3Pライン上(コーン②)、エルボー前(コーン③)の3箇所にコーンを置く DFはエルボー上で待ち構える   ーハーフライン上からリングへトップスピードでドリブルする   ーコーン①、②、③の場所でインサイドアウト   ーDF前でインサイドアウトから1on1

13.インサイドアウト&クロスオーバー レーンと同じライン上のハーフライン前(コーン①)、3Pライン上(コーン②)、エルボー前(コーン③)の3箇所にコーンを置く。DFはエルボー上で待ち構える   ーハーフライン上からリングへトップスピードでドリブルする   ーコーン①インサイドアウト→フロントチェンジ   ーコーン②インサイドアウト→レッグスルー   ーコーン③インサイドアウト→バックチェンジ   ーDF前でインサイドアウトから1on1

14.ハーキー&インサイドアウト  ハーフライン真ん中からOFはドライブ  DFはフリースローライン上で待ち構える   ーDF前でハーキー   ーDFが左手を上げた場合はインサイドアウトをして抜き去る   ーDFが右手を上げた場合はインサイドアウト→クロスオーバーで抜き去る   ーシュート

15.1on1  ハーフライン真ん中から1on1を真剣勝負!

○2日目「シュートテクニック」

1.ストレッチ  ①肩甲骨   ー肩に手を置き大きく肩を回す  ②肩甲骨&スキップ   ースキップしながら肩甲骨を回す  ③股関節その1   ー歩きながら3歩目に膝を抱く  ④股関節&大腿筋その1   ー歩きながら腿の前を伸ばす  ⑤股関節&大腿筋その2   ー歩きながら3歩目に踵をへそまで上げる  ⑥ランジその1   ー腰の位置で手を合わせてランジ  ⑦ランジその2   ー前足と同じ方の手を上げて、逆手をコートにつける  ⑧ヒップローテーションその1   ー歩きながら膝を後ろから前へ大きく回す  ⑨ヒップローテーションその2   ー歩きながら膝を前から後ろへ大きく回す  ⑩股関節&スキップ   ースキップをしながら膝を前、横と順に上げる  ⑪股関節その2   ー膝を90°にして左右に開く  ⑫ヒールタッチ   ー両手をお尻の位置におき左右の踵を交互に手に着ける

2.ハンドリング  ①頭→腰→足→腰   ー上記の順番に連続でボールを回す  ②レッグスルー   ー片足を上げながら足の間にボールを通す  ③8の字   ー足の間にボールを通し8の字を描くようにボールを回す  ④肩越しキャッチ   ー片手で身体の前からボールを投げ背後でキャッチ、背後からボールを投げ前でキャッチ   ー上記の事を連続で行う  ⑤足回し   ー両足を中心にボールを回し、片足を中心にボールを回す   ー上記の事を連続で行う  ⑥振り子   ー身体の前で肘を伸ばしながらボールを振り子のようにスイングさせる

3.椅子ドリブル  ①左右   ー片手で椅子を間に置いて左右にドリブル  ②前後   ー片手で椅子を間に置いて前後にドリブル  ③前後&レッグスルー&フロントチェンジ   ー椅子を間を前後にドリブル→レッグスルー→フロントチェンジ   ー上記の事を繰り返す  ④前後&バックチェンジ&フロントチェンジ   ー椅子を間に置いて前後にドリブル→バックチェンジ→フロントチェンジ   ー上記の事を繰り返す

4.ドリブル~キラークロスオーバー~  ※キラークロスオーバーとはドリブル練習で使う用具の事  ①フロントチェンジ  ②ワンドリブル&インサイドアウト  ③ワンハンドフロントチェンジ  ④インサイドアウト

5.体幹トレーニング  ①フロントブリッジ  ②サイドブリッジ  ③フロントブリッジ   ー片手と片足を地面と平行に伸ばす  ④ヒップリフト

5.トリプルスレッド  ①基本姿勢   ー手首を90°に構える   ー利き手の肘を腰に付け90°に構える   ー膝が爪先より前に出ないように腰を落とす  ②トリプルスレッド→ジャンプ   ー基本姿勢から前にジャンプしその後、背後にジャンプ   ー基本姿勢から右にジャンプしその後、左にジャンプ   ークロスに踏み込みジャンプ  ③トリプルスレッド→ジャンプ~ジグザグ~   ※コーンをジグザグに配置する   ーコーンの前でオープンステップに踏み込みジャンプ   ーコーンの前でクロスに踏み込みジャンプ   ーコーンの前でクロスに踏み込みステップバックしてからジャンプ

6.シューティングフォーム~ゴムバンド~  ※ゴムバンドを非利き手の肩に引っ掛けて、背中を通して利き手の指まで引っ掛ける  ①リフトアップ~壁~   ー利き手側を壁際に立ち、ボールをポケットの位置から肘が広がらないように真上に上げる  ②チェアシューティング   ーゴール前に置いた椅子に浅く座り、立ち上がりながらジャンプシュート

7.シューティングライン  ①コーナー~ボード当て~   ーショートコーナーに立ち自分のシューティングラインとボードが同じになるようにする   ー真直ぐシュートが打てればボールは自分の所に返ってくる  ②キャッチ&ショット   ートリプルスレッドで構え、ボールをキャッチし素早くシュート   ー腕や足の力ではなく、指先で距離を調節する  ③プルアップジャンパー   ーボールをキャッチし利き手でドリブルしシュート   ーボールをキャッチし非利き手でドリブルしシュート   ーボールをキャッチし左足を右に踏み込みながらフロントチェンジしシュート(レッグスルー、バックチェンジでもOK)   ーボールをキャッチし右足を左に踏み込みながらフロントチェンジしシュート(レッグスルー、バックチェンジでもOK)

8.プルアップジャンパー~コーン~  ※ミドルライン上のハーフライン前、トップ、フリースローラインにコーンを設置  ①シュートフェイク   ーコーン前でドリブルしストップしシュートフェイク×3   ー最後のコーンでシュート

9.キャッチ&ショット~バトル~  ①カールカット  ※パッサー:逆ウィング、レシーバー:ゴール下、DF:ゴール下、ブロックの位置にコーンを設置   ーレシーバーはゴール下からコーンを回ってボールミート(カールカット)   ーDFはブロックへクローズアウト   ーブロックされる前に素早くショット  ②ボールミート   ※パッサー:ガードボジション、レシーバー:コーナー、DF:ショートコーナー   ーパッサーは「GO!」と叫び合図を送る   ーレシーバーは合図とともにボールミートしウィングでボールをキャッチ   ーDFは合図とともにノーチャージセミサークルを踏んでからブロックへクローズアウト   ーブロックされる前に素早くショット  ③フレアミート   パッサー:ガードボジション、レシーバー:ウィング、DF:エルボー   ーパッサーは「GO!」と叫び合図を送る   ーレシーバーは合図とともにフレアミート、コーナーへでボールをキャッチ   ーDFは合図とともにブロックへクローズアウト   ーブロックされる前に素早くショット


特集記事
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
bottom of page